大学生になって初めてアルバイトとして家庭教師を始める方も多いですよね。
そんな方のために、この記事では「数学の教え方や授業の進め方」を”元教師”かつ”元家庭教師アルバイト経験者”の私が解説します。
【家庭教師】数学授業の進め方&教え方
中学生や高校生の家庭教師をする際には、計画的に授業を進めることが大切です。
家庭教師は学校や塾とは違い、1対1での授業となるため、とにかく生徒の実力を把握してそれに合った授業を先生自身で組み立てなければなりません。
大学4年間、家庭教師のアルバイトをした経験を踏まえて以下の5つのシーン別に進め方や教え方について解説していきます。
- 初回授業
- 通常授業
- テスト2週間前~直前
- テスト後
- 休憩時間
数学授業の進め方:初回授業
初回授業では、まず先生の自己紹介をします。
生徒さんは緊張していると思いますので、笑顔で明るく話せると良いですね。
生徒さんのことは事前に把握している場合がほとんどですが、改めて部活動や趣味などを踏まえて自己紹介をしてもらうとその後のコミュニケーションが取りやすくなります。
その後、数学がどれくらいできるのか、ちょっとしたテストをするのがおすすめです。
ここで実施するテストは、生徒の実力が測れるものを用意します。
例えば中1であれば、東京ベーシック・ドリル「診断シート」がおすすめです。
初回のテストはこういった無償提供されている教材を使っても良いと思います。
ある程度レベルが把握できないと、使う教材が選べませんし、テスト対策もしづらいですよね。
そのため、初回授業ではテストのようなプリントに取り組むか、前回のテストがあればそれを見させてもらうのがおすすめです。
生徒さんには「テストをやります!」と言うと最初から気が重くなってしまいますので、「今日はまずこのプリントをやってみようか」といった感じで解いてもらうのが良いでしょう。時間制限は設けず、生徒さんがある程度解いてできたら提出してもらう形がおすすめです。
数学授業の進め方:通常授業
生徒さんの実力がある程度わかったら、テキストを1つまたは2つ用意します。
おすすめは2つ用意して、
- 授業で進める用
- 宿題用
といった感じで使い分けることです。
通常時の授業はテキストを使って進めます。
以下のような流れで進めると良いでしょう。
- 定義や解き方の確認
- 一緒に問題を解く(解説をしながら解く)
- 問題演習
- 答え合わせ&解説
まずは、定義などを確認します。
テキストの説明部分を先生が読み、簡単に解説してあげましょう。
その後、練習問題に取り組みます。
ここでは、生徒さんが1つ解いたらすぐに丸をつけてあげるようにします。
解説をしつつ一緒に解くくらいのイメージで取り組むと良いかと思います。
最後に、右ページの「基礎練習」問題に取り組みます。
こちらは基本的に1ページすべて解いたら丸付け、できなかった問題の解説といった流れで良いでしょう。
数学以外の教科も教えるのであれば毎回1ページ程度、数学だけを教えるのであれば2ページ程度進めるのがおすすめです。
生徒さんのペースや学校授業の進度状況に合わせて進めましょう。
授業で使う教材に関しては、家庭教師のアルバイト経験者であっても先生がちゃんと予習をした方が良いと思いますので、生徒用と先生用で2冊買っておくのがおすすめです。
ペースがゆっくりまたは、数学以外の教科も教えるのであれば教材は1冊でも良さそうです。
その場合は、授業でやりきれなかった問題を宿題として出しておき、次回の授業初めに確認します。
割とペースが早いタイプであれば、宿題用のテキストを別に用意するのがおすすめです。
復習となるように、同じ単元の問題に取り組めるようなテキストを用意すると良いですよ。
数学授業の進め方:テスト2週間前~直前
中間テストや期末テストの2週間前になると、テストの範囲が発表される学校がほとんどです。
この期間は、テストで実力が出せるようにしっかりとテスト対策をしてあげるのが良いでしょう。
家庭教師としては、テストで良い点を取らせてあげることが使命ともいえます。
テストの結果が悪い場合、家庭教師を続けられなくなる可能性もあるため注意が必要です(解雇)。
まずは、テスト範囲を確認し、提出物のワークから取り組むのがおすすめです。
家庭教師を活用している生徒さんの多くは、「自分で勉強ができない」という子どもです。
そのため、そもそもテスト終了後に提出しなければならない課題のワークがまったく進んでないということもザラなのです。
そういった状況があることも想定し、まずは学校の課題に取り組み、その後でテスト対策を行うのが良いでしょう。
テスト対策については、その学校ごとに戦略が異なります。
できれば、前回のテスト問題を見せてもらい、どんな問題が出題されるのかを事前にチェックしておけると良いですね。
中学校レベルだと教科書やワークの問題からまったく同じ問題が出ることが多いので、
- 教科書の問題をもう一度解かせる
- ワークで間違えた問題にもう一度取り組む
- 予想問題やテスト問題を作って解かせる
といった感じでテスト対策を進めてあげるのが良いでしょう。
数学授業の進め方:テスト後
テストが終わったら、点数だけでなく「どこを間違えたのか?」ということが把握できるようにテストの問題用紙と解答用紙を見せてもらいましょう。
次回に向けて、反省をして今後の計画を再考します。
テストに関しては、ずっと引きずっていてもしょうがないため、ある程度復習を終えたら通常の授業に戻し、次回のテストに向けてまずは基礎力をしっかりつけさせてあげるのが賢明です。
数学授業の進め方:休憩時間
ご家庭によって対応は変わりますが、休憩時間を設けることもあります。
私の場合、中学生なら90分1コマで家庭教師を引き受けることが多かったのですが、90分間ずっと集中するのは難しいので、だいたい5~10分くらいは一度休憩時間を設けていました。
ご家庭によっては、ちょうど45分過ぎたくらいにスイーツとお茶を持ってきてくださることもあったので、生徒さんと一緒に食べつつ学校生活の話などを聞くことが多かったです。
「休憩時間は必要?」と疑問に思われる人もいるかと思いますが、生徒さんとの信頼関係を築くことも大切です。
生徒さんが質問しやすい雰囲気を作ったり、ちゃんとさぼらずに宿題をやるというのは、信頼が大きくかかわってきます。
ただし、勉強と休憩の切り替えはちゃんと必要です。
単なる相談友達にならないように注意しましょう。
家庭教師×数学使えるおすすめの教材
最後に、家庭教師として数学を教える際に使えるおすすめ教材を紹介します。
中学生
数学ができない、授業についていけないといった「数学が苦手」な生徒さんなら、『中1数学をひとつひとつわかりやすく。』がおすすめです。
このシリーズはとにかくわかりやすく、勉強が苦手な子でも取り組みやすい分量でちょうど良いテキストになっています。
実際に私が家庭教師のアルバイトをしていた際にも利用していました。
また、数学の点数が中盤~上位である子であれば、『中学1年 数学 標準問題集』がおすすめです。
こちらはある程度問題量があるため、実力をしっかりつけさせるのに最適なテキストです。
宿題用として活用するのも良いですね。
高校生
高校生であれば、基本的にチャート式一択です。
数学がちょっと苦手~偏差値50程度であれば黄チャート『チャート式解法と演習数学I+A』が良いでしょう。
偏差値55~70程度であれば青チャート『チャート式基礎からの数学I+A』がおすすめです。
数学が苦手、正直授業にまったくついていけてないというレベルであれば、以下の記事に対処法と参考書をまとめてありますので、こちらを参考にしてみてください。