学校では黒板を使う授業がほとんどですが、特別教室などではホワイトボードを使うこともあります。
そもそも黒板とホワイトボードはどっちの方がより学習に最適なのでしょうか。
今回は、それぞれのメリットとデメリットをまとめてみました。
黒板のメリット(ホワイトボードのデメリット)
黒板のメリットは以下の通りです。
- 目が疲れにくい
- コスパが良い
- 反射しにくい
- ゴミが出ない
目が疲れにくい
もともと黒板は墨汁の上に柿渋を塗った塗板(黒い板)が使われていましたが、黒板のJIS規格が制定された頃に、合成塗料の開発につれて黒板の色が緑に変わりました。
そのため、現在は黒板といっても緑色が一般的です。
「緑色」の黒板は、「白色」のホワイトボードよりも目に優しく疲れにくいというメリットがあります。
可視光線とは人間が肉眼で感じることのできる光線のことを言うそうです。光線には様々な波長があり、その中でも人間は380〜770nmの光線を感じることができるとされています。主に太陽や電気の光がこれに含まれており、波長が長いと赤色になり、波長が短いと青色になります。
その中でも人間が一番弱く感じる波長の中間地点の色が緑色なのだそうです。波長を弱く感じるということは目に受ける刺激も少ないため、負担もかかりにくくなります。そのため「目に優しい」と言われているのです。
引用:中村眼科クリニック
黒板:目が疲れにくい
ホワイトボード:目が疲れる
コスパが良い
黒板やホワイトボードには、たくさんの文字を書きます。
その際に消費されるのが、チョークまたはホワイトボードマーカーです。
ホワイトボードに書くためのホワイトボードマーカーより、チョークの方が安価であるため、黒板を使った方がコスパが良いというメリットがあります。
黒板:チョークは安い
ホワイトボード:ホワイトボードマーカーは割と消費が早い
反射しにくい
ホワイトボードは、光が反射して内容が見にくくなることがありますが、黒板は反射が少ないという利点があります。
学校の授業では多くの生徒が同じ教室で学ぶため、必然的に見やすい場所と見にくい場所が出てきます。
黒板でも一部の場所では反射が生じることがありますが、それでもホワイトボードよりはまだ見やすいといえるのではないでしょうか。
黒板:反射しにくい
ホワイトボード:反射しやすい
ゴミが出ない
黒板にチョークで文字を書く場合、チョークは粉となって無くなるためゴミが出ません。
その一方で、ホワイトボードにホワイトボードマーカーで文字を書く場合は、インクがなくなった際にペン自体がゴミになります。
黒板:ゴミが出ない
ホワイトボード:使い終わったマーカーがゴミになる
黒板のデメリット(ホワイトボードのメリット)
黒板のデメリットは、以下の通りです。
- チョークで汚れる
- 筆圧が必要
チョークで汚れる
黒板を使うデメリットと言えば、1番は「チョークで汚れる」ことではないでしょうか。
黒板にチョークで文字を書く際にも粉が飛びますし、書いた文字を消すときも粉が飛びます。
先生がチョークの粉を被ることはもちろんのこと、教室の前の席の生徒にも粉が飛ぶことがあります。
また、チョークを使うと手が汚れるというデメリットもありますね。
こういった点を考慮すると、ホワイトボードの方が教室や先生・生徒の衣類を汚しにくと言えるでしょう。
黒板:チョークで汚れる
ホワイトボード:汚れにくい
筆圧が必要
ホワイトボードに水性ペンで文字を書く際には、通常、筆圧はあまり重要視されませんが、黒板にチョークで文字を書く場合には気にする必要があります。
その理由は、低い筆圧でチョークを使うと文字が薄くなることがあるからです。
黒板にチョークで文字を書く際には、一定の筆圧を加える必要があります。
先生によっては、チョークで書いた文字が薄くて見づらいということもあります。
特に新任などの板書に慣れていない先生が薄くなりやすい傾向があるのです。
また、発表などで生徒が文字を書く際にもやはり、黒板よりホワイトボードの方が書きやすいと言えるでしょう。
黒板:筆圧がないと文字が薄くて見づらい
ホワイトボード:筆圧に左右されない
黒板とホワイトボードはどっちの方が学習に最適?
日本の授業の性質上、毎日長時間黒板(またはホワイトボード)を見続けることになります。
そうなるとやはり「目に優しい」黒板が優先されるべきではないでしょうか。
確かに、黒板には「チョークで汚れる」「筆圧が必要」といったデメリットもあります。
しかし、「目が疲れにくい」「コスパが良い」「反射しにくい」といったメリットよりも優先されることはないでしょう。
学校の授業で使うなら、こういったメリットを考慮した上で黒板の方がおすすめです。